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セオリー編(強くなる考え方)・1

強くなるための全体像

初心者

麻雀は運の要素が大きいゲームです。それでも、長く打つほど判断の差が成績に出てきます。この章では、強い人が考えていることを4つに分けて、どこから学ぶとよいかを整理します。

1局の結果より、判断の平均を見る

麻雀では、正しく打っても負ける局がたくさんあります。強い人の集まりでも、アガれるのは5局に1回くらいです。

オンライン対戦の天鳳で最上位の卓(鳳凰卓)の統計を見ると、1人が1局でアガる割合は約21%でした。放銃(相手のアガリ牌を切ること)の割合は約12%です。ほとんどの局は、自分がアガらないまま終わります。

ですから、1局の勝ち負けで自分の打ち方を決めつけないことが大切です。「同じ場面を何百回くり返したら得か」と考える習慣が、上達の近道になります。

  • データあり天鳳鳳凰卓(2023年・東南戦・赤あり、約17万半荘)では、1人1局あたりのアガリ率が21.1%、放銃率が12.4%でした。アガリ1回あたりの平均打点は5,789点です。
  • 目安(経験則)結果が悪かった局は「判断が悪かったのか、運が悪かったのか」を分けて振り返るのが目安です。

強さは4つの判断に分けられる

『現代麻雀技術論』の著者ネマタは、麻雀の判断を、どの情報に注目するかで4つに分けています。

1つ目は、自分の手牌を見て形を育てる「手作り」。2つ目は、1枚切るたびに攻めるか守るかを決める「押し引き」。3つ目は、点数や順位を見る「状況判断」。4つ目は、相手の河(捨て牌の並び)や鳴きから手を推し量る「読み」です。

ネマタは、手作りでも受け入れの広さだけで決めないよう勧めています。アガリやすさと点数まで含めて、その局の点数の損得の平均(局収支)で比べる考え方です。この読み物の章も、おおむねこの4つに沿って並べています。

  • 定説麻雀の判断は「手作り」「押し引き」「状況判断」「読み」の4つに分けて考えられます(ネマタの分類)。
  • 定説受け入れ枚数・アガリ率・打点をまとめて、局収支で比べるのが現代の考え方です。

覚える順番の目安

何から覚えるかに、決まった正解はありません。ただ、入門向けの記事には、最初の柱として「ベタオリ(降り方)」「牌効率」「押し引き」の3つを挙げるものがあります。プロの沖中祐也(zeRo)も、ベタオリをすべての技術の土台と位置づけています。

このアプリでは、次の順番をおすすめします。①役と点数のしくみ。②牌効率(テンパイへの近道になる牌の残し方)。③降り方(相手のリーチに当たらない牌を切る方法。現物やスジ)。④リーチと鳴きの判断。⑤押し引き。⑥点数状況の判断。

①〜③は、知らないと損が大きく、覚えればすぐ成績に効く分野です。④〜⑥は、基礎の上で少しずつ精度を上げていく分野です。並行して学んでもかまいません。

  • 目安(経験則)初めのうちは、牌効率と降り方を優先するのが目安です。知らないことによる損が大きい分野だからです。
  • 目安(経験則)何切るのような問題形式の練習をくり返すと、形を見たときの判断が速くなる傾向があります。

よく出る役から覚える

このアプリの役図鑑には38の役があります。でも、実際のアガリで使われる役はかなり偏っています。

天鳳鳳凰卓の統計では、アガリの約4割にリーチがついていました。役牌も同じくらいよく出ます(ダブ東などは重ねて数えた値)。門前ツモ、タンヤオ、平和も2割台です。一方、ホンイツ、一盃口、三色同順、七対子は数%、対々和と一気通貫は1%台でした。

ドラと赤ドラ(赤い5)も大事です。ドラと赤ドラを合わせると、アガリ1回あたり平均で約1枚使われています。まずは、リーチ・役牌・タンヤオ・平和とドラを確実に使えるようになりましょう。

2萬3萬4萬4萬5萬6萬3筒4筒5筒2索2索6索7索
リーチ・タンヤオ・平和が見えるテンパイ。5索か8索でアガれます。よく出る役だけで、十分に戦える手です。
  • データあり2023年の天鳳鳳凰卓で、アガリ100回あたりの役の出現は、立直41.5回、役牌39.3回、門前ツモ25.0回、タンヤオ22.0回、平和20.3回、ホンイツ4.6回、一盃口3.9回、三色同順3.7回、七対子2.9回、対々和1.5回、一気通貫1.5回。役牌はダブ東などを重ねて数えた値です。
  • データあり同じ統計で、使われた枚数はアガリ1回あたりドラ(ドラ表示牌で決まるドラ)約0.57枚、赤ドラ約0.51枚です。
  • 定説出る回数が多い役ほど、作り方の上手下手が成績に響きます。珍しい役より、よく出る役の精度を上げるのが近道という考え方です(ネマタ)。

自分の成績をはかる物差し

オンライン対戦では、アガリ率や放銃率などの成績の数字が表示されることがあります。強い人の平均を知っておくと、自分の打ち方のくせに気づけます。

天鳳鳳凰卓の平均では、リーチは約18%、鳴き(副露)は約33%の局でしていました。Mリーグでは、7シーズンの平均でアガリ率が約19%、放銃率が約11%です。

ただし、数字をまねれば強くなるわけではありません。天鳳の強者を調べた分析では、リーチの多さと強さの間にほとんど関係は見られませんでした。大事なのは回数ではなく、1回ごとの判断の中身です。

  • データあり天鳳鳳凰卓(2023年)の立直率は18.4%、副露率は32.6%。2016年(立直率17.0%・副露率34.4%)より、リーチが増えて鳴きが少し減りました。
  • データありMリーグ7シーズン(レギュラーシーズン、のべ216人)の平均はアガリ率19.4%、放銃率10.52%。2024-25シーズンのリーチ率の平均は22.20%です。
  • データあり天鳳鳳凰卓で2000半荘以上打った1,124人では、リーチ率と安定段位の相関は−0.02で、ほぼゼロでした。
  • ルールで決まる天鳳には途中流局やダブロン(2人同時のロン)があり、どちらもないMリーグとは細かいルールが違います。数字は目安として使いましょう。

練習してみよう

参考にした資料

内容は、下の資料の考え方を自分たちの言葉でまとめたものです。くわしくは元の資料を読んでください。