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危険な牌を予測する・2

危険度の目安 ― データで見る牌の序列

初心者

「どの牌がどれくらい危ないか」は、大量の対局記録から数えられています。数字を知っておくと、迷ったときに比べる基準ができます。ただし数字は平均なので、使うときの注意も一緒に覚えましょう。

危険度は「当たりだった割合」

ここでいう危険度は、ある種類の牌が、リーチした人の当たり牌だった割合のことです。危険度5%なら、同じような場面で20回切ると1回くらい当たる計算です。

代表的なデータは、koba::blog の筆者がオンライン麻雀・天鳳の最上級卓(鳳凰卓)の記録から集計したものです。2019年の約17万半荘、約130万回のリーチについて、宣言牌(リーチを宣言するときに切った牌)が切られた直後の時点で数えています。字牌の「何枚出ているか」は、出典では「見えている枚数」とだけ書かれています。このアプリでは、河・鳴いた牌・ドラ表示牌に見えている枚数で数えます(自分の手にある分は数えません)。

天鳳は赤ドラあり・喰いタンありで、Mリーグに近いルールです。ただし途中流局やダブロンがあるなど違いもあり、打ち手もネットの上級者なので、プロの対局と同じ傾向とは限りません。

  • 計算で決まる危険度5%は、およそ20回に1回当たるという意味です。
  • データあり集計の条件は、2019年の天鳳鳳凰卓東南戦171,650半荘・リーチ1,300,316件(フリテンリーチと国士無双のリーチは除く)、宣言牌を切った直後です。

安全な順に並べると

この集計を安全な順に並べると、次のようになります。現物は0%です。

場に3枚出ている字牌0.01%、2枚出ている字牌0.28%、スジ19 2.02%、1枚出ている字牌2.11%、中スジ456 2.81%、スジ28 3.50%、生牌の字牌4.29%、スジ37 4.62%、無スジ19 6.65%、片スジ456 7.10%、無スジ28 7.72%、無スジ37 8.42%、無スジ456 11.56%。

2枚出ている字牌と無スジ456では、40倍ほどの差があります。同じスジでも、1・9と3・7では2倍以上違います。

1萬2萬3萬
1萬で当たる両面待ちは、23萬の1通りだけです。
5萬3萬4萬6萬7萬
5萬で当たる両面待ちは、34萬と67萬の2通り。真ん中の牌ほど当たる形が増えます。
  • データあり天鳳鳳凰卓2019年の集計では、無スジ456(11.56%)はスジ19(2.02%)の約5.7倍当たりやすい結果でした。
  • データあり同じ集計で、無スジ37(8.42%)は無スジ28(7.72%)よりはっきり高い値でした。
  • 目安(経験則)覚え方の目安は「字牌は見えている枚数が多いほど安全、スジは端ほど安全、無スジは真ん中ほど危険」です。

なぜこの順番になるのか

差が生まれる一番の理由は、その牌で当たる待ちの形の数です。字牌はシャンポンと単騎だけです。1・9はそこに両面が1通り加わります。2・8には嵌張、3・7には辺張も加わります。4・5・6は両面が2通りあります。

数牌の当たりの大半は両面待ちによるものです。同じ集計では、1・9の牌で当たった例の約4分の3が両面待ちでした。打ち手は両面の形を優先して残すので、両面で当たる牌ほど危なくなります。

koba::blog の筆者は、待ちの形に重み(単騎1、シャンポン2、嵌張・辺張3、両面10)を付けて足すと、待ちの形ごとの統計とおおむね合うことを示しました。足し算すると、字牌3、1・9が13、2・8が16、3・7が19、4・5・6が26になります。

  • 計算で決まる当たる形の数は、字牌=シャンポン・単騎、1・9=それに両面1通り、2・8=さらに嵌張、3・7=さらに辺張、4・5・6=両面2通りを含む形、の順に増えます。
  • データあり天鳳鳳凰卓2019年の集計では、1・9の牌の当たり6.09%のうち4.61%(約76%)が両面待ちでした。
  • 目安(経験則)重みの足し算は、コンピューター麻雀(電脳麻将)の守備のために作られた近似です。厳密な確率ではなく、目安として使います。

古い表との違い

以前よく引用されたのは、『科学する麻雀』(とつげき東北)に載った危険度表です。元データは、赤なし・喰いタンなしの東風戦とみられます。

天鳳の新しい集計と比べると、危ない順番の大枠は同じでした。違いの1つは、無スジ37が無スジ28よりはっきり危ない点です。古い表では、この2つにほとんど差がありませんでした。

koba::blog の筆者は、古い表は元の件数や計算方法が示されていないので、そのまま信じにくいとも述べています。数字は「どの条件で数えたか」とセットで覚えるのが安全です。

  • データあり古い表の参考値は無スジ28が7.0%、無スジ37が7.1%。天鳳2019年の集計ではそれぞれ7.72%、8.42%でした(koba::blog)。
  • 定説大まかな危険度の序列は、データの時代やルールが変わっても大きくは変わっていません。

巡目が進むと数字は変わる

ここまでの数字は、リーチがかかった直後のものです。巡目が進むと危険度は変わります。

数牌は、スジが通るたびに当たる形が減ります。そのぶん、残った無スジに当たりが集まります。『現代麻雀技術論』の著者ネマタは、無スジの2・3・7・8を中盤で約7%・終盤で約10%、両側とも無スジの4・5・6を中盤で約12%・終盤で約15%と見積もっています。流局間際の無スジ456は25%を超えるというデータもあります。

字牌は、スジが通っても当たる形が減りません。場に出ていない役牌が相手3人のだれかに当たる割合は、5巡目には約3%でも、17巡目には約12%まで上がるという分析があります。ネマタも、生牌の字牌は中盤以降はスジ28より危なくなるのが普通だとしています。「字牌だから安全」は、序盤ほど当てはまる考え方です。

  • 目安(経験則)無スジの目安:2・3・7・8は中盤約7%・終盤約10%、4・5・6は中盤約12%・終盤約15%(ネマタの見積もり。通った牌の数で変わります)。
  • データあり最終盤の無スジ456は放銃率25%超、無スジ37は20%(『「統計学」のマージャン戦術』のデータ、ネマタのレビューより)。
  • データあり自分が1枚だけ持ち、場に出ていない役牌(ドラではない。リーチした人ともう1人の相手にとって役牌)が、相手3人のだれかに当たる割合は、1軒リーチ(ほかの2人は門前でリーチなし)のとき5巡目3.2%、11巡目6.7%、17巡目12.1%でした(麻雀数理研究会の牌譜解析)。

数字は平均 ― 1枚ずつは言い当てられない

危険度は、たくさんの場面をならした平均です。目の前の1枚が当たるかどうかを言い当てるものではありません。

koba::blog の筆者は2024年の天鳳鳳凰卓の記録を使い、牌の危険度を決めるいくつかの方法を比べました。比べた中には、現物以外をすべて同じ危険度とみなす、いちばん単純な「推定なし」も入っています。ほかの方法は、この単純な方法より予測のずれ(予測と実際の差の大きさ)がわずかに小さいだけでした。1枚ごとの当たり外れを言い当てるのは、それだけ難しいと読めます(この読み物の解釈です)。

それでも、スジと無スジで平均の危険度が何倍も違うことは変わりません。数字は「2つの候補のどちらがより安全か」を比べる物差しとして使いましょう。

  • データあり天鳳鳳凰卓2024年の東南戦184,426半荘の先制リーチでの比較では、リーチ直後の予測のずれ(RMSE)は、推定なし0.12929、当たる組み合わせの数を数える方法(コンボ理論)0.12840、電脳麻将の方式0.12830で、差は小さい結果でした(koba::blog)。
  • 目安(経験則)危険度の数字は、候補を比べるときの目安として使うのが向いています。

練習してみよう

参考にした資料

内容は、下の資料の考え方を自分たちの言葉でまとめたものです。くわしくは元の資料を読んでください。