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危険な牌を予測する・3

ベタオリの手順 ― 降りると決めたら最後まで

初心者

ベタオリは、アガリをあきらめて、当たりにくい牌だけを切ってしのぐ守り方です。覚えたての人がいちばん大きく伸びるのが、このベタオリです。いつ降りるか、どの順番で切るかを整理します。

まず「押すか降りるか」を決める

危険度の知識が役に立つのは、降りると決めた後です。最初に、自分の手がリーチに立ち向かえる手かどうかを考えます。

目安はシンプルです。自分がまだテンパイしていないなら、基本は降りです。『新 科学する麻雀』の読者まとめでは、中盤に子どうしで1人のリーチを受けたとき、メンゼンの1シャンテンで押せる目安を、良い形(両面以上)が確定していてリーチを含めて3翻以上としています。2シャンテン以上なら、ほぼ降りです。

テンパイしているときの判断は、「押しながら守る」の章で扱います。

  • データあり1軒リーチに対するメンゼン1シャンテンで押す目安は、良い形が確定していてリーチ込み3翻以上(中盤・子どうし。『新 科学する麻雀』の読者まとめより)。
  • 目安(経験則)ノーテンでリーチを受けたら基本は降り、2シャンテン以上から押すことはほとんどない、というのが目安です。

ベタオリは強い、でもそれだけでは勝てない

『科学する麻雀』は、麻雀ではおよそ半分の局で降りることになると説いています。降りるべき局できっちり降りることが、成績の土台になります。

一方で、全局ずっと降り続ける打ち方は勝てません。大学の研究会の発表では、全局ベタオリをシミュレーションすると、平均順位は3位台まで下がりました。

降りても失点はゼロになりません。相手のツモアガリや、流局時のノーテン罰符があるからです。『現代麻雀技術論』のデータを紹介した解説では、10巡目のリーチに完全に降りた場合、子が子のリーチに対して平均約1,100点、親のリーチに対して約1,700点を失うとされています。それでも、アガれなかった局全体の平均(子で約1,500点の失点)よりは小さく済みます。

  • データあり全局ベタオリの平均順位は、シミュレーションで東風戦約3.15〜3.4位、半荘戦約3.35〜3.6位でした(相手の強さで変わる。芝浦工業大学 数理科学研究会の学生発表、2016年)。
  • データあり10巡目のリーチに完全に降りたときの平均失点:子→子のリーチ約1,100点、子→親のリーチ約1,700点、自分が親のとき約1,700点(『現代麻雀技術論』のデータ。一姫でもわかる現代麻雀技術論 第5話より)。
  • 定説降りるべき局で確実に降りることが、強さの土台になる(『科学する麻雀』)。

切る順番の基本

降りると決めたら、安全な順に切っていきます。データをもとにした目安は、次の順番です。字牌の枚数は、場(河・鳴いた牌・ドラ表示牌)に見えている枚数です。

(1) 現物。(2) 場に3枚出ている字牌。(3) 場に2枚出ている字牌。(4) スジの1・9、場に1枚出ている字牌、中スジ、ノーチャンス。(5) スジの2・8。(6) 生牌の字牌、スジの3・7。(7) ワンチャンス、片スジ、無スジの1・9。(8) 無スジの2・8・3・7。(9) 無スジの4・5・6。

この順番は、前の章のデータをもとにこのアプリで整理した目安です。巡目が進むと生牌の字牌が危なくなるなど、場面によって入れ替わります。

發7萬3索5筒
降りる順番の一例。リーチした人の河に4萬があり、發が場に2枚出ているとき:發(場に2枚)→ 7萬(スジ)→ 3索(無スジ)→ 5筒(無スジの真ん中)。
  • 目安(経験則)切る順番は、データをもとにした目安です。ほかの人の動きや巡目で入れ替えます。
  • データあり根拠の数字(天鳳鳳凰卓2019年、リーチ直後):場に2枚出ている字牌0.28%、スジ19 2.02%、スジ28 3.50%、無スジ19 6.65%、無スジ456 11.56%(koba::blog)。

共通安全牌は残しておく

現物にも使い分けがあります。リーチした人にだけ安全な牌と、全員に安全な牌(共通安全牌)です。

降り始めは、リーチした人にだけ通る牌から切り、共通安全牌はなるべく手に残します。あとで別の人が追っかけリーチ(リーチに続けてかけるリーチ)をかけたり、鳴いてテンパイしたりしたとき、その牌が頼りになるからです。

ただし、すでに別の人もテンパイしていそうなときは逆です。鳴きが多い人がいる、終盤である、といった場面では、共通安全牌を先に使います。ネマタは、先のことばかり気にして、今テンパイしている人への放銃を招かないよう注意しています。土田浩翔プロも、リーチした人の危険牌を押してくる人がいたら、その人はリーチした人の現物で待っていることがあると注意しています。

  • 定説リーチした人だけに通る牌を先に切り、共通安全牌は後に残す(土田浩翔、麻雀豆腐、ネマタなど多くの解説で共通)。
  • 定説ほかの人のテンパイが近そうなら、共通安全牌を先に使います。

対子・暗刻から崩す

同じ牌を2枚、3枚持っていれば、1枚目が通った後は、次の巡目も同じ牌が通ります。だから降りるときは、少しくらい危険度が高くても、孤立した牌より対子や暗刻から崩す方が、先の巡目まで安全な牌を確保しやすくなります。

『新 科学する麻雀 実戦問題集』の読者まとめでは、放銃率の差が2%以内なら孤立牌より対子を、3%以内なら暗刻を先に切るという目安が紹介されています。

7筒7筒7筒
現物の7筒を暗刻で持っていれば、3巡続けて安全に切れます。
  • ルールで決まる一度通った牌は、同じリーチ者に対しては次の巡目以降も現物です。
  • 目安(経験則)放銃率の差が2%以内なら対子、3%以内なら暗刻を、孤立牌より先に切る(目安。読者まとめ経由で、前提の条件は未確認)。

「ほぼ安全」な牌の落とし穴

自分から4枚見えている字牌は、ほぼ現物と同じに扱えます。1・9なら、4枚見えていて、しかもスジになっているものが同じくらい安全です。スジでない1・9は、4枚見えでも両面待ちに当たることがあります。そしてどちらも、国士無双だけには当たります。役満への放銃なので、国士無双を狙っていそうな人がいるときは油断しません。

3枚見えの字牌は、単騎待ちに当たることがあります。とくに七対子は単騎待ちになるので、対子が多そうな河の人には注意します。

河が変わっていて七対子が気になるときでも、字牌の方が無スジより安全という基本はほとんど崩れません。3〜7の牌がたくさん切られたかなり怪しい河のリーチでも、七対子は2割程度という分析があります。

  • ルールで決まる4枚見えの字牌と、4枚見えでスジでもある1・9で当たるのは、国士無双だけです。
  • データありかなり怪しい河のリーチでも七対子は約20%、リーチ全体の平均では数%(2004年刊『科学する麻雀』のデータ。実戦問題集の読者まとめ経由)。

練習してみよう

参考にした資料

内容は、下の資料の考え方を自分たちの言葉でまとめたものです。くわしくは元の資料を読んでください。