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危険な牌を予測する・5

リーチした人の河を読む

中級者

河には、リーチした人が何をどの順番で手放したかが残っています。宣言牌や切り順を見ると、同じスジ・同じ無スジの中でも危険度の差が見えてきます。ただし、よく聞く読みの中には、データで確かめると効果がはっきりしないものもあります。

宣言牌のスジ(モロ引っ掛け)

宣言牌は、リーチを宣言するときに横向きに置いて切った牌です。宣言牌のスジで待つ形をモロ引っ掛けと呼びます。たとえば468萬から4萬を切ってリーチすると、68萬の嵌張で7萬待ちになります。

データで見ると、宣言牌のスジは普通のスジより少し危ない程度です。嵌張待ちは増えますが、ほかの待ちが減るので、全体では大きく変わりません。koba::blog の筆者は、引っ掛けられた記憶が強く残るので実際より怖く感じやすいのではないか、と推測しています。

4萬6萬8萬
468萬から4萬を切ってリーチすると、68萬の嵌張で7萬待ち。宣言牌4萬のスジの7萬が当たる形です。
  • データあり天鳳鳳凰卓2019年:宣言牌のスジ28は3.64%(スジ28全体は3.50%)、宣言牌のスジ37は5.40%(スジ37全体は4.62%)でした(koba::blog)。
  • データあり天鳳位の牌譜の集計でも、リーチ牌のスジは4.7〜5.6%で、スジ全体(4.0〜4.4%)よりやや高い程度でした。1・9ではこの差は見られませんでした(gimite)。
  • 目安(経験則)モロ引っ掛けは「スジの中では少し危ない」くらいに考え、無スジよりはずっと安全と覚えるのが目安です。

宣言牌の隣と、同じ色のスジ1

「宣言牌のすぐ隣が当たる」(ソバテン)とよく言われます。天鳳の大量のデータでは、宣言牌と同じ色の牌の危険度に、目立った偏りはほとんどありませんでした。はっきり危なかったのは、1切りリーチの2と、2切りリーチの1です。

宣言牌が同じ色の2や3で、その前に4を切っているときは、スジの1でも危なくなります。たとえば1124萬の形から4萬、2萬の順に手放すと、11萬が残ってシャンポン待ちになることがあります。4萬が河にあるので1萬はスジですが、当たります。

反対に、場にすでに何枚も出ている字牌を切ってリーチした人に対しては、スジの1はとても通りやすくなります。

1萬1萬2萬4萬
4萬→2萬の順に切ると、残った11萬がシャンポン待ちの片方になることがあります。スジの1萬でも当たる形です。
  • データあり1切りリーチの2は8.50%(2の平均5.56%)、2切りリーチの1は7.12%(1の平均4.24%)でした(天鳳鳳凰卓2019年、koba::blog)。
  • データあり6巡目のリーチでスジ1の平均は2.3%。宣言牌が同じ色の2なら7.9%、同じ色の3なら4.8%、4枚目にあたる字牌なら1.1〜1.3%でした(麻雀数理研究会)。

序盤に切られた牌の外側

リーチした人が序盤に切った数牌より外側の牌は、無スジでも安全寄りです。序盤に真ん中寄りの牌を手放す人は、その外側を使う形を持っていないことが多いからです。たとえば序盤に3萬を切った人に対する1萬・2萬です。

データでも、最初に切った数牌が2〜4のとき、その外側の牌の危険度はおよそ半分になりました。天鳳位の牌譜の集計では、序盤の捨て牌の外側はスジと同じくらい安全でした。

例外は、序盤に5を切っている場合です。このときは、その色の1・9(5の裏スジにあたる牌)がむしろ危なくなるという結果が、複数の集計で出ています。

ここは、プロの読みとデータが分かれるところです。土田浩翔プロは、中盤までに5を切ってリーチした人に対しては、その色の1・9は安全だと説きます。一方、天鳳のデータでは、序盤に5が切られているときのその色の1・9は危険度が上がり、宣言牌が5のときも同じ色の1・9は平均よりわずかに高い値でした。見ている条件が完全には同じではないので、どちらが正しいとは言い切れません。

  • データあり最初に切った数牌が2〜4のとき、その外側の牌の危険度はおよそ半分でした(天鳳鳳凰卓2019年、koba::blog)。『現代麻雀技術論』も、序盤の捨て牌の外側の危険度をおよそ0.6倍と見積もっています。
  • データあり天鳳位の牌譜では、序盤の捨て牌の外側が3.8〜4.6%で、スジ(4.3〜4.8%)と同じくらいでした(比較の基準の無スジ・片スジ平均は11.2〜11.4%。gimite)。
  • データあり序盤に5を捨てている人に対するその色の1・9は11.2〜16.3%(gimite)。宣言牌が5のリーチでは、同じ色の1が4.95%(平均4.24%)、9が4.92%(平均4.29%)でした(koba::blog)。

宣言牌の種類と、リーチの早さ

字牌や現物のような安全な牌を切ってのリーチは、良い待ちが多い傾向があります。安全な牌を残しながら、良い形のテンパイを待っていたと考えられるからです。ただし、三色が見えていて安全牌を抱えていた、という例外もあります。

ツモ切りリーチ(引いた牌をそのまま切ってのリーチ)は、テンパイしていたのにリーチせずにいた人が、あとからかけたものです。待ちが悪い、打点が低いなどで手変わりを待っていた可能性がありますが、理由はいろいろあるので決めつけません。

4〜5巡目のような早いリーチは、河が少なく、スジの情報も少なめです。手が整う前にテンパイしていることが多いので、宣言牌と同じ色の牌が意外と通ることもあります。土田浩翔プロも、早いリーチでは宣言牌の色が当たりにくいと説いています。

  • データありMリーグ2021年10月〜2022年2月の18半荘(リーチ182回)では、安全牌を切ったリーチ16件のうち14件(87.5%)が両面以上の待ちでした(麻雀ウォッチの記事)。件数が少ないので目安にとどめます。
  • データあり4切りリーチの5巡目では、同じ色の無スジ3が4.1%、別の色のスジ3が5.1%でした(麻雀数理研究会)。
  • データあり『新 科学する麻雀 実戦問題集』の読者まとめでは、ツモ切りのリーチは手出しのリーチより打点が高めで、スジの2・3・7・8が危なくなるとされます。
  • 目安(経験則)ツモ切りリーチは、悪い待ちや安い手からの変化を待っていた可能性を考える材料の1つです。

切り順と手出し

同じ色の2枚を、どちらから先に切ったかも手がかりになります。先に切った牌は早く要らなくなった牌で、後から切った牌は、それまで何かの形に使っていた牌だからです。

7〜11巡目に1萬を宣言牌にしたリーチで、その前に6萬を切っていた人に対する無スジ2萬は13.3%でした。前に3萬を切っていた人なら3.8%です。同じ無スジでも3倍以上違います。

手出し(手の中から切った牌)とツモ切りの区別も材料です。土田浩翔プロは、宣言牌とその1つ前に手出しした牌の周りは、テンパイ直前まで使っていた部分なので注意するよう説きます。ただし見分けて覚えるには練習が必要なので、初心者は後回しにしてかまいません。

6萬1萬
先に6萬、宣言牌で1萬を切ったリーチ。この切り順では、無スジの2萬が13.3%と高い値でした。
3萬1萬
先に3萬、宣言牌で1萬を切ったリーチ。この切り順では、無スジの2萬は3.8%と低い値でした。
  • データあり宣言牌1萬のリーチでの無スジ2萬:その前に6萬が切られていれば13.3%、3萬が切られていれば3.8%(7〜11巡目、麻雀数理研究会)。
  • 目安(経験則)宣言牌とその直前に手出しした牌の周りに注目する(土田浩翔の経験則)。

よく聞く読みを信じすぎない

裏スジ(捨て牌の隣の牌と、そこから3つ外側の牌の組。5を切った人の1-4・6-9など)、間四軒(2と7のように、間に4つの数字をはさむ2枚の捨て牌があるときの3-6)、またぎスジ(捨て牌をまたぐスジ。4を切った人の2-5・3-6)は、危ない牌としてよく紹介されます。

天鳳位の牌譜の集計では、裏スジと間四軒は危険度をほとんど変えませんでした(序盤に5を切っているときの1・9は例外)。またぎスジは、むしろ平均よりやや低い結果でした。『現代麻雀技術論』も、裏スジと間四軒は特に考えなくてよいとしています。一方で麻雀数理研究会は、4切りリーチの同じ色の無スジ3(宣言牌のまたぎ)が、巡目が進むほど危なくなることを示しています。

こうした読みを理由に、現物やスジより危ない牌をわざわざ選ぶのは逆効果です。まず現物・スジ・字牌の基本を守り、細かい読みは「迷ったときの小さな材料」にとどめましょう。

  • データあり天鳳位の牌譜7,670ゲーム(2012年ごろの集計):比較の基準(無スジ・片スジ平均)11.2〜11.4%に対し、リーチ前の捨て牌の裏スジ11.3〜11.8%、間四軒10.4〜11.8%、リーチ前の捨て牌のまたぎスジ8.2〜8.6%、リーチ牌のまたぎスジ9.3〜10.2%でした(gimite)。
  • 定説読みは相手の手を言い当てるためではなく、可能性を減らすための道具として使います。

練習してみよう

参考にした資料

内容は、下の資料の考え方を自分たちの言葉でまとめたものです。くわしくは元の資料を読んでください。