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セオリー編(強くなる考え方)・4

リーチするか・鳴くか

中級者

テンパイしたらリーチ、が現代の基本です。鳴くかどうかは「速さ」と「点数」の2つで比べます。データが示す理由と、例外になる場面を順に見ていきます。

先にテンパイしたら、まずリーチ

リーチをかけると手を変えられなくなり、相手にも警戒されます。そのぶんアガリ率は下がります。ネマタの講座では、9巡目に一番乗りで(先制で)両面テンパイした場合、リーチをかけずにテンパイを保つ(ダマ)とアガリ率は約70%、リーチすると約60%とされています。

それでも、打点の上がり方がアガリ率の下がり方を大きく上回ります。平和のみの手は、ダマなら出アガリ1,000点、ツモ1,500点です。リーチをかけると額面は2,000点になり、一発・裏ドラ・ツモの上乗せを平均すると約3,500点になります。

その結果、1局の点数の損得の平均(局収支)で比べると、平和のみでもリーチがはるかに有利です。先にテンパイしたら、まずリーチを考えましょう。

  • データあり9巡目・先制の両面テンパイのアガリ率は、ダマ約70%、リーチ約60%。ほかの3人が全員降りたと仮定したリーチでも約50%です(ネマタの講座。『科学する麻雀』などにもとづく丸めた値)。
  • データありリーチ込み30符2翻の手は、額面2,000点に対して一発・裏ドラ・ツモ込みの平均が約3,500点。30符3翻なら額面3,900点に対して約6,100点です(『科学する麻雀』の表をネマタが紹介)。
  • データあり『新 科学する麻雀』の公開データ(図中の値)では、先制した平和のみの9巡目の局収支は、リーチ約+1,835点、ダマ約+276点です。

愚形でも、先制ならリーチが有力

嵌張や辺張のような狭い待ち(愚形)は、両面の半分の枚数しかありません。でも、アガリ率は半分まで落ちません。流局までに何度もツモる機会があるからです。先制の嵌張リーチのアガリ率は、約40%前後とされます。

『新 科学する麻雀』のデータでは、無スジ(自分の捨て牌から見てスジにならず、ほかの人が警戒して切りにくい牌)の3・7待ちの嵌張で、リーチ・タンヤオを9巡目にリーチすると、局収支はプラスでした。ダマではほぼゼロです。愚形の中では、2・8のように端に近い待ちほどアガりやすく、4・6のような真ん中寄りの待ちが最もアガりにくい傾向があります。

役もドラもない愚形テンパイは、リーチでもダマでも局収支がマイナスになる、という見積もりもあります。それでも、リーチの方がマイナスは小さい結果でした。リーチで出アガリできるようになり、相手のツモアガリも減るからです。

1萬3萬
2萬待ちの嵌張。端に近い牌で待つ愚形は、比べるとアガりやすい傾向があります。
3筒5筒
4筒待ちの嵌張。真ん中寄りの牌はほかの人も使いやすく、切られにくい待ちです。
  • データあり『新 科学する麻雀』の公開データ(図からの読み取り)で、無スジ愚形リーチの9巡目のアガリ率は、嵌張2・8待ち約43%、嵌張3・7待ち約40%、嵌張4・6待ち約35%です。
  • データありリーチ・タンヤオ・無スジ嵌張3・7待ちの9巡目の局収支は、リーチ約+1,211点、ダマ約−92点です(同じデータの図中の値)。
  • データあり麻雀数理研究会の見積もりでは、8〜10巡目・子・3と7の嵌張か辺張待ち・片側が無スジ・ドラと赤が見えていない条件で、先制した役なし・ドラなしの愚形テンパイの局収支は、リーチ−229点、ダマ(テンパイのままツモを待つ)−482点。牌譜の集計した確率に、役なし・ドラなし向けに補正した平均打点を組み合わせた値です。その選択をした局としなかった局で状況が違う偏りがある、と著者が注意しています。
  • 目安(経験則)リーチを控える目安は、待ちが極端に悪いとき(出やすくない中張牌で残り2枚以下、字牌以外で残り1枚以下、残り3枚以下のフリテンなど)。ネマタの講座が示す線引きです。

ダマを選ぶ場面

リーチの上乗せは、打点が高くなるほど効率が落ちます。満貫から跳満は1.5倍、跳満から倍満は約1.33倍しか伸びません。そのため、ダマですでに高い手は、ダマが候補になります。

『「統計学」のマージャン戦術』のデータを使った計算では、8巡目に子が先制の良形テンパイをした場合、30符3翻ではリーチが大きく有利、ダマ5翻ではリーチがわずかに有利、ダマ6翻ではダマが有利でした。境目は、およそ5〜6翻です。

終盤も判断が変わります。『新 科学する麻雀』の公式データ集の図(先制ピンフのみの局収支)では、17巡目以降の平和のみはダマの方が上です。また、オーラスで「アガればリーチしてもしなくても順位が同じ」なら、アガリ率の高いダマが有力です。

  • 計算で決まる打点の伸び率は、満貫→跳満が1.5倍、跳満→倍満が約1.33倍、6,400点→8,000点が1.25倍です。
  • データあり8巡目・子・先制良形の場合、アガリ率はダマ73%、リーチ57%。局収支は、30符3翻でダマ2,559点・リーチ4,212点、5翻で6,136点・6,492点、6翻で8,180点・7,632点(『「統計学」のマージャン戦術』のデータをもとにした、別の書き手の計算)。
  • 定説ダマで6翻以上ある手は、序盤でとても待ちが良い場合を除いてダマが基本。ダマで50符3翻(6,400点)の手は、序盤以外ダマが基本とされます(ネマタの講座)。
  • ルールで決まるMリーグは切り上げ満貫ありなので、30符4翻や60符3翻もダマで満貫になります。

鳴くかどうかは、速さと点数で比べる

鳴くかどうかは、速さと打点の2つで決めます。比べる相手は、鳴かなかった場合に現実に作れる手です。実現しそうにない理想の手と比べてはいけません。

手を進める方法は、孤立牌をターツ(あと1枚で面子になる2枚)にする、ターツを面子にする、孤立牌を雀頭にする、の3つです。このうち鳴きでできるのは「ターツを面子にする」だけです。面子候補が足りない手で鳴くと、手牌が短くなって形を作りにくくなり、かえってテンパイが遠くなることがあります。

反対に、役牌の対子のように役を確定させる鳴きや、手の急所になっている愚形ターツを埋める鳴きは、積極的にする価値があります。一度鳴いて役が決まった手なら、手が進む牌はほぼ何でも鳴いてかまわない、とネマタは説明しています。

中中3萬4萬6筒8筒
中の対子と、両面と嵌張。中をポンして役を確定させれば、そのあとは7筒を上家からのチーでも埋められます。
  • 定説鳴きで進められるのは「ターツ→面子」だけです。面子候補がそろっている手や、役を確定させる急所の鳴きに価値があります(ネマタ)。
  • 定説一度鳴いて役が決まっている手なら、手が進む牌は原則どれを鳴いてもよい。鳴くほど速くなり、点数はそれ以上下がらないからです(ネマタ)。

メンゼンの1シャンテンから鳴いてテンパイを取るか

いちばん迷うのは、メンゼンで1シャンテンの手に、鳴けばテンパイになる牌が出たときです。『新 科学する麻雀』を読者がまとめた記録では、打点が高い、巡目が深い、愚形が残る、平和がつかない、自分が子である、という条件ほど早めに鳴く側に傾きます。

逆に、両面が2つある1シャンテンで平和がつく安い手は、メンゼンのまま進める時間が長くなります。親はリーチの圧力が大きいので、少しメンゼン寄りです。

目安は資料によって少し違います。ネマタは、鳴くと1,000点になるリーチ・タンヤオ・平和の広い1シャンテンでも、8巡目前後からは鳴いてテンパイを取る方が良いとしています。一方『新 科学する麻雀』の読者のまとめでは、平和がつく2翻以下の広い1シャンテンは鳴かない、という結論です。巡目・打点・形の3つを合わせて考える点は、どちらも同じです。

  • データあり『新 科学する麻雀』(天鳳鳳凰卓約93万半荘のデータと対局を模した計算。ほかの3人がメンゼンでリーチなし、上家から鳴く条件)の読者のまとめでは、鳴いても4翻あれば序盤から鳴きます。それより安い手は、形と平和の有無によって、鳴き始める巡目が序盤・中盤・終盤と変わります。
  • 定説鳴いて5,200点以上見込めればほぼ鳴く。鳴いて3,900点でも、手広くて巡目が浅い場合以外はたいてい鳴く(ネマタ)。
  • データあり同書の公開データ(図からの読み取り)では、相手1人のリーチ下で両面2つの1シャンテンのアガリ率は、1巡目でメンゼン約23%、リーチした人が上家で鳴ける場合約32%です。
  • 目安(経験則)その時点で1位の人(トップ目)はアガリ率を重視して鳴き寄り、4位の人(ラス目)は打点を重視してメンゼン寄りになります(『新 科学する麻雀』の読者のまとめ)。

練習してみよう

参考にした資料

内容は、下の資料の考え方を自分たちの言葉でまとめたものです。くわしくは元の資料を読んでください。