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セオリー編(強くなる考え方)・6

点数状況とオーラス

上級者

同じ手でも、今の順位や残りの局によって、正しい判断が変わることがあります。とくに最後の局(オーラス)では、点数より順位を考えます。この章は、Mリーグのルールに合わせて整理します。

最後に効くのは順位点

Mリーグは25,000点持ちの30,000点返しで、終わったときの順位に応じて順位点がつきます。1位は+50,000点、2位は+10,000点、3位は−10,000点、4位は−30,000点にあたります。

1位と2位の差は、持ち点(素点)に直すと40,000点分です。2位と3位、3位と4位の差はそれぞれ20,000点分なので、その2倍にあたります。Mリーグは、1位の価値がとても大きいルールだといえます。

このため、4位を避けることを特に重く見る天鳳の段位戦の研究を、そのままMリーグに当てはめないよう注意が必要です。

  • ルールで決まるMリーグの順位点は、1位+50,000点、2位+10,000点、3位▲10,000点、4位▲30,000点(25,000点持ち・30,000点返し)です。
  • 計算で決まる隣り合う順位の差は、1位と2位が40,000点分、2位と3位・3位と4位が20,000点分。4位を1回、1位を1回取ると、順位点の合計は+20,000点分残ります。
  • データあり開局に2,000点をアガるだけで1位になる確率が約30%に上がる、という集計結果があります(『「統計学」のマージャン戦術』の書籍紹介文。天鳳の牌譜による)。小さなリードにも価値があります。

点数状況で判断を変えるのはいつから

序盤から点数状況を気にしすぎる必要はありません。ネマタは、点数状況でリーチ判断を変えるのは、ほぼ南3局以降と、持ち点がなくなりそうな相手がいる場合に限られるとしています。Mリーグはトビ(持ち点がマイナスになると終了)なしなので、後者の事情はありません。

とつげき東北は、天鳳の段位戦(4位になると大きく減点されるルール)について、持ち点が多いほど危険の少ない選択(降り)を多めに選ぶべきだとしています。点数が平らなら1局の損得に近い判断でよいものの、南1局になると放銃を避ける重みが増す、という指摘です。

ただしMリーグでは、4位を避けることより1位になることの価値が大きいので、同じ強さでは当てはまりません。「持ち点と残りの局数で判断が動く」という考え方は共通しています。

  • 定説点数状況でリーチ判断を変えるのは、ほぼ南3局以降です(ネマタ)。
  • 定説4位の罰が重いルールでは、持ち点が多いほど降り寄りになります。相手が安そうな鳴き手のときは、この変化は小さいとされます(とつげき東北)。
  • ルールで決まるMリーグはトビなしです。持ち点がマイナスになっても半荘は続きます。

トップ目は引き気味、ラス目は打点重視

その時点で1位の人をトップ目、4位の人をラス目と呼びます。『新 科学する麻雀』の読者のまとめでは、トップ目はリーチの得が少し小さくなり、押し引きでは少し引きます。鳴きの判断では、打点よりアガリ率を重視して鳴く側に寄ります。局が早く進むこと自体に価値があるからです。

ラス目は反対に、打点を重視します。テンパイを外してでも手を高くする方に寄り、2人のリーチを受けても押す側に寄ります。

ただし、トップ目でもリーチをやめるほどの差は、ふつうは出ません。同じまとめでは、2位と大きく離れたトップ目でも、平和のみはリーチが選ばれています。例外は、失点を避ける価値がとても大きい場面です。南3局のトップ目が2巡目に役なし・ドラ1の嵌張でテンパイした例の検討では、1局の損得の平均(局収支)だけならリーチが上でも、放銃を大きく減らせるダマが、点数状況を含めると最善と結論されています。

  • データあり平場(点差の小さい普通の局面)の9巡目、先制した平和のみの局収支は、リーチ1,761点、ダマ251点。ダマのアガリ率は約10%高いものの、平均打点はリーチ約3,700点、ダマ約1,100点です(麻雀数理研究会の計算)。
  • データあり南3局トップ目・2巡目の役なし嵌張テンパイの検討例では、放銃率はリーチなら約11%(『「統計学」のマージャン戦術』のデータ)、ダマなら2〜3%(筆者の概算)と見積もられています。1局面の事例検討です。
  • データありトップ目は引き気味・鳴き寄り、ラス目は打点重視・押し寄りになる傾向があります。『新 科学する麻雀』の半荘収支(天鳳鳳凰卓の牌譜をもとにした模擬計算)から出た傾向で、順位点の付け方が違うルールでは度合いが変わることがあります。

オーラスは、まず逆転の条件を数える

オーラスは、半荘の最後の局(ふつうは南4局)です。ここでは、アガったときに順位がどう変わるかがすべてです。毎回、全員との点差と、リーチ棒(供託)や本場の点数を含めた逆転の条件を確かめます。

たとえば、ある相手に6,000点負けているとします(本場とリーチ棒はないものとします)。ほかの人から5,200点をアガっても届きません。でも、その相手から直接ロンすると、自分が増えて相手が減るので、点差は打点の2倍縮まります。3,900点の直撃でも7,800点縮まり、逆転できます。

アガれば順位が決まり、リーチしてもしなくても順位が変わらないなら、アガリ率の高いダマ(リーチをかけないテンパイ)が有力です。反対に、必要な打点に届かないアガリでは、順位を上げられないことがあります。

  • 計算で決まる特定の相手から直接ロンすると、その相手との点差は打点の2倍縮まります。6,000点差なら、3,900点の直撃で逆転できます。
  • 目安(経験則)オーラスは、全員との点差・供託・本場を数えてから打牌を決めるのが目安です。アガれば1位になる手(アガリトップ)なら、ダマが有力です。

Mリーグのオーラスで知っておきたいルール

Mリーグには、オーラスの親のアガリやめ・テンパイやめがありません。親がトップ目でアガっても、流局時にテンパイしていても連荘(親が続くこと)になり、ほかの人に逆転の機会が残ります。

途中流局(九種九牌など)もダブロン(2人同時のロン)もありません。2人が同じ牌でロンできるときは、捨てた人から見て先に手番が回ってくる人だけがアガれます(頭ハネ)。ノーテン罰符は場に3,000点で、形だけのテンパイ(形式テンパイ)も認められます。

このルールのため、トップ目の親は、親だからといって無理にアガリを目指さず、安い手なら鳴かずに守りの力を残す、という判断が魚谷侑未プロの解説でも紹介されています。

  • ルールで決まるMリーグ: オーラスの親のアガリやめ・テンパイやめなし、途中流局なし、ダブロンなし(頭ハネ)、ノーテン罰符は場に3,000点、形式テンパイあり。
  • 目安(経験則)トップ目の親は、安い手なら鳴かずに守りの力を残す選択もあります(プロの解説より)。点差と残りの親番で変わる判断で、目安の1つです。

練習してみよう

参考にした資料

内容は、下の資料の考え方を自分たちの言葉でまとめたものです。くわしくは元の資料を読んでください。